2019年に注目すべき、5つのコンバージョン率最適化の傾向

ITバブル崩壊をきっかけに、2000年代初期にコンバージョン最適化(CRO)が登場し、過去10年間で急激な変化を遂げました。今まで以上にマーケティング担当者は見込み客や顧客を絞り込んで成果を上げ、そしてデジタル投資に対する収益を最大に上げるため、CROに注目しています。

CROは進化し続けています。代理店もクライアントも現在使えるものだけでなく、今後の展開も知っておく必要があります。このブログでは、2019年にCRO戦略に最も影響を与える可能性が高いと思われる5つの傾向について注目していきたいと思います。

1. マーケティング担当者はCROを改善するため、さらに量的なアプローチと共同アプローチに重点を置くようになります

ハードデータは何十年もの間、ビジネスインテリジェントとマーケティングを推進してきましたが、複雑過ぎてウェブデザインやその他のデジタル市場に利用しにくかったのです。

A/Bテストはここ数年でますます普及してきており、2019年にはさらに広がると予想されています。同じことがアンケートにも当てはまります。アンケートはその「立ち入った」性質のために回答率が低く、人をイライラさせます。ありがたいことに、A/Bテストとアンケートは使う機器に関係なく適応し、付けるのが簡単で、客の反応もかえってきやすく、さらにカスタマイズが可能になりつつあります。

何より、CROの成功事例と同じように、これからは統一テストと研究方法が決定的な牽引力を持つと私達は予測しています。より多くのコンバージョン研究が進み、業界がだんだん詳しくなるにつれて、専門家達は何がうまくいって、何がうまくいかなかった、そこからどう進むかについて一致しています。

CROの専門家はデータをより理解しやすく、実用的にしようとするでしょう。ここではより優れたデータ検出と視覚化ツールが重要な鍵になりますが、データ品質管理(すべてのデータを同じように関連性があると見なすのでなく、特定のプロセスを優先させること)が有効になります。CROデータは組織全体でますます共有されるようになり、販売/マーケティング関係者とCRO専門家がもっと協力し合えるようになるでしょう。

2. より多くのユーザーとの相互作用、一人一人に合わせたウェブサイトによりCROは改善します

デジタル環境ではフェイスブックやタンブラーのようなSNSは避けられませんが、最近その勢いをなくしつつあるかもしれません。その結果、マーケティング担当者は企業が第三者の動作環境を通じてではなく、ユーザーと直接かかわる必要があることに気づきました。

ユーザーからのフィードバックによって、ブラントの独自性やコンテンツがより世間に知られるようになるだけでなく、2019年はユーザーと個人的に、一対一でかかわることがすべてになると考えています。ユーザーとの会話を生み出し、ブランドとユーザーの絆を築き、相手のライフサイクルを理解し、特定のウェブサイトに定期的に戻ってきたくなるような新しい方法を探しています。

もちろん数字の整理やパターン確率のために、ビッグデータは依然として重要ですが、個別にアプローチすることで不足は補えるでしょう。ユーザーの視点から見た「価値」はすでに一枚岩ではありません。私達はよりカスタマイズされたニュースレター、ポイントプログラム、おあつらえ向きのレイアウト、ユニークな経験、そしてその人にぴったりのおすすめ品が表示されることを期待しているのです。

ユーザーの操作によって変化する、インタラクティブキャンペーンのコンテンツに関しては、より透明性の高いものを探してください。文化人類学者の専門知識から、フリクションの領域だけでなく、満足の領域も考慮に入れる本質を見抜くアプローチを期待しています。これはあなたではなく、あなたの顧客のことだいうことを忘れないでください。彼らから学ぶだけではなく、なぜ個別化が私達にも彼らにも利益をもたらすのかを理解するためのより良い方法が見つかるでしょう。

3.CROでもAIと自動化を

AIと機械学習について多くの説がありますが、それには正当な理由があります。しかし私達がAIについて考える時、2019年に実際にどうあるかではなく、よりSF的な側面に焦点を合わせがちです。。AIはますます賢くなり、実用的な問題を解決するのに向いています。

2018年には何十社もの主なウェブサイトがカスタマーサービスのチャットボット(ユーザーが人間と会話するような感覚で情報収集を行うことができるサービス)を展開していました。2019年にはチャットボットはさらに賢くなり、応答性が向上し、役立つようになります。しかし予測分析とターゲットの予測とおよび可視化への依存も高まっています。

これはいったいどういうことでしょうか?ユーザーがウェブサイトを見ると同時に、デザインとコンテンツ両方の微調整が始まります。静的コンテンツはクッキーや従来の分析ではなく、機械学習に基づいて、その人に合ったウェブサイトを作ります。バックグラウンドテストを実行し、機械学習プロセスが増えるにつれて、ウェブサイト表示は相手に合わせたものになっていきます。予測ターゲッティングではマーケティング担当者の簡単なクリック以外は入力を必要とせず、新しい戦術でコンバージョンを増やそうとします。

4. CROをユーザーがウェブサイトを検索して利用するという新しい方法に取り組みます

デジタルマーケティングとCROの最初の大きな革命(そして挑戦)はスマートフォンの登場とともに起こりました。ほんの数か月のうちに、マーケティング担当者やUXデザイナーは重大な質問に徹底的に対応し、答えなければいけませんでした。タッチスクリーンはどのようなものですか?モバイルインターフェースとは何ですか?限られた処理能力と画像サイズとはどういう意味ですか?スマートフォンのユーザーはパソコンのユーザーとは違った方法で閲覧しているのですか?実際、パソコンとスマートフォンのユーザーは同じユーザーなのですか?

タブレットはタッチパネルのインターフェースを使用しているため、手間はかかりませんでした。しかし2019年に新たな革命が起こりました。VRや数多くのインターネットに接続されたデバイスが登場する一方で、音声アシスタント(アレクサ、シリ、グーグルホーム、コルタナなど)がすでに登場しており、人気が高まっています。実際、2020年までに全検索の50%が音声ベースになる可能性があります。

音声アシスタントを利用した検索で、CROを開発するのが難しいのは2つの理由があります。まず、ユーザーは手入力、タップ、クリック、またはスクロールではなく、音声および「会話型検索」を利用して対話しています。これは私達が今使えるツールを無効にするだけでなく、検索、相互作用、そしてウェブデザインの本質をも変えてしまいます。

次に、これらの音声アシスタントはその販売会社および検索エンジン、または販売促進アルゴリズムと密接に関係しています。属性やタッチポイントなどの問題に取り組むのに10年かかりましたが、それと同じように、第三者による音声検索はあっという間に大きな問題になるでしょう。

この課題の簡単な解決策はありません。しかし、私達は自然言語(あるいは自然に聞こえる言語)ロングテールキーワード(検索する時に使用する可能性が高い固有のキーワード)、トピックの最適化、検索目的(特定の単語ではなく、ユーザーが検索する理由)に注目していくべきだとわかっています。

5.GDPR、PECR、ePrivacy規制およびその他のデジタル倫理/プライバシー法がCROに与える影響

最後に、CROはより多くのプライバシー規制に合わせていく必要があります。規制があると生活しにくくなりますが、特にデータのプライバシー、デジタル倫理、および企業と消費者の信頼はこれまで以上に重要な時代なので、規制は受け入れるべきです。

GDRPとPECRで始まった困難な状況は、新しいヨーロッパのePrivacy規制がかかり出した後、2019年にはより難しくなってくるでしょう。リストの変更点の中で、2つの大きなポイントが目立っています。

  • クッキーの同意はブラウザによって処理され、ウェブサイトのクッキーバナーから移動することができます。ただし、これが分析にどのように影響するかについてはわかっていません。例えばブラウザを介してすべてのクッキーをブロックするようにユーザーが選択した場合、企業はどのやってユーザーの希望通りのウェブサイトをカスタマイズするのでしょうか?幸い、第三者の同意は問題にはならないはずですが、第三者の分析(グーグル分析、アドビ分析、リードフィーダーなど)は間違いなく影響を受けます。
  • 特に商品とサービスの販売やおすすめに関しては(オプトアウトではなく)ゆるやかなオプトイン対策が設定されます。これはマーケティングのためのEメールやニュースレター、またマーケティング担当者がユーザーの反応を見るためにどのデータを使うか、に直接影響します。

もちろんこの法律がより多くの草案を通過するかもしれません。特に多くのEU機関が合意に達する必要があるため、最終的な製品はこれまで出たものとは根本的に異なる可能性があります。ただし、具体的な結果や法律の制定にかかわらず、デジタルプライバシーというものは常にあり、CROを使う人が心にとどめておくべきです。